あーと歌留多 2013
学校の子どもたちに、美術作品の複製画などを持ってきて、「見て話し合いなさい」という投げ掛けをしても、話し合いが深まらないばかりでなく、結果として、指導者の一方的な話しに終始してしまうことが予想されます。さらに、作品自体に興味を示さないことさえ懸念されるかもしれません。
また、子どもたちを、実際に、美術館へ連れて行く場合にも、美術作品を意欲的に鑑賞させる工夫は必要となるでしょう。
そこで、ゲームとしての楽しみを通じ、想像をふくらませながら美術作品を見ることによって、子どもたちが鑑賞活動のおもしろさを実感できるように、「あーと歌留多」を製作してみました。
【授業の展開例】
5人グループで行ない、数枚、共通サンプルを入れておく。読み札作りは1人3枚。
1.共通サンプルの「アート歌留多」を使って遊んでみる
「これから読み札(共通サンプル)を読みますから、それらしい絵をとってみましょう」
……どうして、それだと思うのか、聞いてみる
2.アート歌留多を作ってみる
「読み札が、これ(共通サンプル)しかありませんので、みんなで読み札を増やしてみましょう。思いついた絵を3枚とって、読み札を描いてください」
「自分なりの〈感じ方〉を大切にしながら、読み札を考えましょう」
……必要であれば、解説などを読ませる
3.自分たちで作った「アート歌留多」を使って遊んでみる
「他の人の考えた読み札を聞くときは、自分とはちがう絵の読み取りの仕方(見方、感じ方、考え方)を理解して、考えてみましょう」
……歌留多とりの感想を聞いてみる
……自分の考え方についても、他の人の考え方についても、聞いてみる
……歌留多とりをしたあとの作品の見え方について、感想を聞いてみる
4,その後の活動として
……グループで作ったものを交換して、歌留多とりを行なってみる
……クラス分の全ての読み札を使い、歌留多とりを行なってみる
……美術館に行って、本物の作品を鑑賞する
【共通サンプル-2013年試用版】
「あーとネット・とちぎ」で制作した、栃木県立美術館の所蔵作品による鑑賞カードを利用した共通サンプルです。
作者名 |
作品名 |
読み札 |
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(朝もやの中)じゃぶじゃぶ、パッカパッカ、スイー。 |
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なにもかもが夕暮れ色に染まる頃、僕も一緒に染まる。 |
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かぐや姫は、竹のお籠に乗って、月へ帰りましたとさ。 |
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ひかりさす 家をしずかに見つめると 浮かんでくるよ 大地のシルエット |
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窓辺にて あふれる色彩みにまとい つんとおすまし わたしをみてよ |
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影の中 たたずむ人々何してる 光の先には 広がる景色 |
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発車時刻 切符あずけた 人が来ぬ |
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何食わぬ 顔の牧師の 赤い靴下 |
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大漁日 冷えた身体に 朝ご飯 |
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甘そうな 虹の蛇から 虹の雨 |
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技を超え 自然を求めて 酒を煮る |
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藤田嗣治 |
花を持つ少女 |
乳白の肌に青いニュアンス |
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担え銃!前に進め!アーメン! |
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【実践例-2013「秋」】
「あーとネット・とちぎ」で制作した、栃木県立美術館の所蔵作品による鑑賞カードを利用した、小学校6年生による実践例です。
作者名 |
作品名 |
読み札 |
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とろとろ とろけて 飴から雨へ |
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ポツポツ 私の心に にじの雨 |
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ぐねぐね ピュンピュン レインボー |
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ぼくの仲間は 竹やぶの中にいる。 |
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なやむのよ 何をどうすれば良いのか 分からない |
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ダイエット イライラすぎて リバウンド |
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着物姿 私はだれよりも 美しいのよ |
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夕暮れに 海へ行くよ 二人して |
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新しい 店のセールは 大混乱 |
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大混雑で 駅のホームが 大混乱 |
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大地震 みんなすぐに 避難しろ |
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近づくな この先危険 幽霊の街 |
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一人ぼっち 白い家 とじこもる |
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魔法から とけてなくなる 謎の家 |
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食糧を よこせと叫ぶ デモ集団 |
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キリスト教 広めてこの道 五十年 |
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宣教師 こわいやつだと みなさける |
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真夜中の 町にひそむ サンタクロース |
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森の中 一人で見つめる 夕方の街 |
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草原から ぬけるところに 大地あり |
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大切なもの 見つけるまでは 一人旅 |
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パトリック・ |
食堂/台所/居間 |
彼氏にふられて 料理作る気にもなれないわ・ |
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マンションで 一人暮らしの クリームシチュー |
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藤田嗣治 |
花を持つ少女 |
まじ暑い 心の中で 思う女 |
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もうやだ もうやだ 男なんで もう知らない |
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なでしこ もって思う あの人を |
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新しいくつ 雨の中バシャバシャ 歩けば 色だらけ |
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【実践例-2013.12.12】
「あーとネット・とちぎ」で制作した、栃木県立美術館の所蔵作品による鑑賞カードを利用した、中学校1年生による実践例です。
作者名 |
作品名 |
読み札 |
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美しい虹色の橋雨上がり |
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色鮮やかなレインボーレイン(雨) |
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鮮やかなきらきらな虹流れてる |
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色鮮やかな虹から流れる雨 |
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虹色の雨年に一度の雨が降る |
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さらさらと落ちてくるのは何だろう |
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雨が降る美しい色レインボー |
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美しく虹色の雨が降る |
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雨の後虹が綺麗に降ってくる |
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ザーザーザー雨と虹が綺麗だな |
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美しい虹が空から降ってくる |
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色の雨海に溶け出し波となる |
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カラフル色々にじみたい |
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虹色の線がいっぱい素敵だな |
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色とりどりの虹が雨になる瞬間 |
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色鮮やかなきれいな虹が出ているよ |
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虹が出てだんだん溶けてなくなるよ |
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絵の中に虹色の雨降り注ぐ |
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空の虹が雨のように降ってきた |
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あららら虹が溶けていくどうしよう |
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虹の雨虹がなくならなければいいのにな |
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虎は叫ぶ龍は鳴く |
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虎は吠える~龍は叫ぶ~ |
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龍神虎神世紀の対決 |
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龍虎激突世界を揺るがす大決闘 |
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雲の上龍と虎の戦い |
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百獣の王vs伝説龍 |
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虎と龍渦巻く風たち戦いのとき |
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天には龍が地には虎 |
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にらみあってる龍と虎 |
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天と地の強者達があいま見る |
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雲が出て龍と虎で戦い中 |
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にらみあい虎と龍の戦いはどちらが勝つか楽しみだ |
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ガオガオガオワオワオワオワオワオウスウスス |
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お願いします神様南無阿弥陀仏・・・ |
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人がたくさん光を用いて願いを唱える |
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たくさんの天女に見守られるブッタさん? |
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神様が音楽引いてるワンダフルー |
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おでこピカピカひげボーボー |
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朝帝に僧侶たちが語りだす |
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どこいったお前の髪の毛どこ行った |
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人でにらみ合いどちらが勝つかわからない |
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朝早く田畑の手入れ疲れたな |
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雨に霞む故郷かな |
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田舎道静かに朝を迎えてる |
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周りは木田んぼや畑やっぱりいいな田舎暮らし |
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山奥の小道の横に在りし田は煙の中でもまた美しき |
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灰色で昔の風景ぼやぼやと |
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ニワトリが今日も鳴いている同じ色はひとつもない |
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鶏が仲間たちとえさ探し |
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鶏がいっぱいいるよくさそうだ |
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鶏が仲良く散歩しているよ |
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コケコッコーコケコケコケココケコッコー |
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黒い鳥草にむかって突っ込め |
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6匹の鶏たちが暴走中 |
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ひよこから大きくなりし鶏の旅立つうちはいとさびしかな |
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竹林を悲しそうに見ている子牛の目 |
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どうもこんちは!牛です!嘘です!! |
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竹やぶの外にたたずむ小さな牛 |
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竹の近くに牛さん一匹襲ってくるかな? |
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黒牛がやっと抜けた竹林 |
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夕方に皆がうつる赤い海(川) |
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夕焼けに染まる町並みまっかっか!! |
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夕暮れの色に染まった隅田川 |
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そこのあなた私を見なさいくいつきなさい |
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うーん・・・ |
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ジッと見ている考えている |
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女の人何考えてるの空を見て |
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考えてる夕飯何か考えてる |
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考え中いいアイディアが浮かばない |
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考える女 |
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野菜の上一人の女性とリボンをつけた猫 |
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キラキラキラパシャパシャパシャゾー |
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夕焼けの中木々がそよそよ洗濯女たち |
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和室の窓辺に美しい着物をまとおう一人の舞妓 |
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鮮やかな着物を着て座ってる |
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浜辺にて照り輝く漁師たち |
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家ひとつ周りに何もないドアひとつ |
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白い家そこにポツリと置いてある |
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きらきら誰かが出てくる家 |
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白い白いマイホーム |
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白い家周りに何も無く寂しいなぁ |
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日が当たる周囲に広がる涼しげな場所 |
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ホワイトのおうち大好きランランラン♪ |
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幻の一軒の家誰かいるかな |
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生まれ育った我が家へさぁ帰ろう |
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色もなく何もないかとお思い前を見れば白き家 |
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目の前にシンプルすぎる家が一軒 |
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木漏れ日が家に当たってきれいだな |
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転々と木漏れ日差し込む白い家 |
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白い家に映る木漏れ日がきれいだな |
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ホワイトハウス光をあびてキラララ |
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人の中自分のため家族のため動く難民 |
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人混みはいろいろな人が歩いてる? |
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いい感じお皿を割らず歩こうね |
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たくさんの困った人がゾロゾロゾロ |
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みんなしてものを頭の上で持っていく |
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たくさんの人がいろんな血を頭に乗せて歩く |
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夢の街来たものの自分の街と変わらない |
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人々で賑わう夜街かな |
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がやがやと町にざわつく若者達 |
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いろいろなストーリー神父の下は赤い |
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夜の街皆集まり楽しむ |
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人間の様々な戦いがある |
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狭い道バスが通って警察叫ぶ |
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アメリカ人中国人が混じってた |
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暗くよく見えなくともそこには華の町があり人々は騒ぐ |
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ニューヨークこんなに怖い町だっけ? |
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青空の平地で軍隊練習 |
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兵隊が並んでるとき僧侶は読書 |
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戦争じゃなくならないんだなんだろう |
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湖を背に音かなでる女性の影 |
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幻想的光と女ハーモニーだ |
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なぜだろういつもより綺麗に見える身の周り |
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やわらかくきれいな湖 |
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空高く青空綺麗桃源郷 |
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木々の奥雲の下には町がある |
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遠いところの木や草の自然な場所 |
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高台から見下ろしているコンスタブル |
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雲動き木々がざわめき夜があける |
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風を受け景色眺める憩いのとき |
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大きい木と大きいくもに囲まれた町 |
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船が倒れたのを起こす |
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夕日あび船をおしだす屋形船 |
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船二人頑張り押して夕暮れに |
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富士山の上から全国見下ろしだ |
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野の中で心に在りし山々の絶景かな絶景かな |
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那須野が原遥か先には富士山 |
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昔はなここはこうゆうとこだった |
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一人とて踏み入ることなき断崖の先を流れし長江かな |
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白黒の絵流れる水と船一つ |
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山袖の河に沿って揺れる船 |
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白と黒和風の河 |
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霧のなか水を走る船があり |
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夕日に照らされて光る牛と人 |
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橋の上白、黒、茶色の牛がいる |
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牛追いの男橋を渡る |
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早く行け、早く行けったら早く行け |
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小さな橋の上、黒、茶、白の牛がいる |
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パトリック・ |
食堂/台所/居間 |
どの部屋もホッと落ち着くあったかい |
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新作デザイン赤いキッチンピンクのリビング |
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ユーモラス物が何でも一色に |
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不思議だね一回で見える家全体 |
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それぞれ皆明るく綺麗に光ってる |
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色鮮やかな台所においしそうな料理 |
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きれいだな自分の我が家落ち着くよ |
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明るくて楽しい食卓にぎやかに |
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僕だけを仲間はずれにしないでよ |
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藤田嗣治 |
花を持つ少女 |
花三輪白い女性が持ちながらこちらを見ている |
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花を持ち静かに笑う女の子 |
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見てください私のお花綺麗でしょ!!! |
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白い肌花持つ左手も白く細い |
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一人の少女左手に花を持つ |
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一人で寂しい死神さん |
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ぐっちゃぐちゃ色と色が混ざり合う |
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ズガガガガパラパラドン!! |
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二つのエネルギーが大爆発 |
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グチャグチャグチャたくさんの色が混ざってる |
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いろいろたくさん赤、黄飛び散って遊び心 |
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赤と黄色が喧嘩中 |
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頭と頭でごっつんこ血がだらだら |
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人と人とがにらみあい決着つくかわからない |
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水の町そこに輝く地平線 |
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湖にうつる山は変わらない |
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夕暮れの子供たちの晩餐会 |
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夜が明けて人々動き朝日輝 |
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湖の沿岸近くで何やるの |
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